top of page

トラウマとは?



 トラウマとは何らかの体験によって生じた心の傷のことで、それによって心身の変調をきたします。強いストレス状況があったとしても、自分の周りに支えてくれる家族、友達やパートナー、支援者がいると乗り越えることもできますが、トラウマになってしまう場合があります。


 体験の内容と、体験後に現れた症状がある一定の基準に当てはまる場合には、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や複雑性PTSDと診断されます。

 PTSDは災害、戦争、火事、事件や事故に巻き込まれた、暴力・性暴力を受けた、またはそれらを見た、被災者・被害者と関わってひどくストレスを受けた場合に起こります。

 一方、複雑性PTSDは、ストレスフルな出来事が繰り返されたり、長く続いたりした結果として起こるものです。例えば、虐待(身体的虐待・性的虐待)やネグレクト(子どもを放置する、子どもの気持ちを無視する)、DV(ドメスティックバイオレンス)、きょうだいからの暴力や、いじめ、パワーハラスメントがずっとつづいた結果、複雑性PTSDを起こします。


 トラウマとして対処したほうがよいのは、つらい体験によって心身の変調が生じ、PTSDなどと診断されるような状態になったり、生きづらさにつながったりしているときです。「これが私の性格だから」と諦めずに、支援・治療を受けることをお勧めします。


トラウマ体験の反応(3つのF)

生命の危機を感じるような体験をすると、次の3つのような反応が引き起こされます。理性ではどうにもなりません。心が弱いというのではなくて、脳が、自分を守るために、自動的に反応するのです

・闘争(Fight):戦う

・逃走(Flight):逃げる

・凍りつき(Freeze):体が凍ったように、固まってしまい、何も反応できません。



普段の生活が送りにくくなる

 トラウマ体験時の記憶が消化されずにそのまま残り続けると、安心して生活が送りにくくなります。なにかの引き金(トリガー)によって、トラウマ体験を思い出し、以下のような症状が出ます。トリガーは否定的な言葉だけでなく、肯定的な言葉や優しい言葉でもトリガーになり得ます。性被害に遭った場合を例にすると、加害者が被害者を優しい言葉で手懐けていることがあるからです。


どんな症状がでる?

過呼吸、記憶がなくなる、パニックを起こす、解離、自傷、他害、激しい怒り、他人を信じられない、孤独感、侵襲的なフラッシュバック、過覚醒、凍りつき、トラウマを思い出すようなことの回避など。


どのような時期に心の傷がよみがえりやすい?

 人生の課題に直面する時期ー恋愛、子育て中に、ストレスが高まった時ーに、トラウマの症状が強く現れます。

 また、似たような人、似たような言動をする人に遭った、被害にあった時と同じ時期・時間にもさまざまな反応が起きやすいです。



bottom of page