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発達障害と心身の不調




6月末だというのに、もうすでに真夏のような、30度を越す日が続いていますね。みなさん体調はいかがですか?


 突然ですが、発達障害をもつ方は、ストレスを抱えやすく心身の不調を起こすことも多いのです。そこで今回は


石川ちひろ・木谷秀勝編著『発達障害のある女の子・女性の支援ー「自分らしく生きる」ための「からだ・こころ・関係性」のサポート』 金子書房、 第6章のASD、ADHD、LD当事者成人女性の記事を紹介します。




 消化器疾患やアレルギー疾患、自律神経失調症などは発達障害児によく報告される身体的な合併症と紹介し、自身の過敏性大腸症候群、自律神経失調症、二次障害として自己免疫疾患の体験を語られています。その後、以下の文章が続きます。


p.114〜p.115

 筆者がここまで心身症を多発し、悪化させてしまった背景には、自分自身のアレキシサイミア(失感情症)傾向とアレキソミア(失体感症)傾向があるのではないかと推測しています。失感情症とは、自分の感情を認識し言葉に表すことの難しさ、失体感症とは、より低次の情動や身体感覚に気づくことに難しさのある性格特性を示しています。これらの傾向があるがある人は自らの感情を認識することの難しさから、本来気づきとことばによって発散されるはずのストレスが、身体の症状として表現される(身体化する)ようになり、心身症につながっていくと言われています(Taylor, 2010)。アレキシサイミア傾向は心身症患者によく見られますが、ASDとの関連も指摘されています(福島・高須, 2012, Hill et al., 2004)。


 発達障害、特にASDでは、自分の疲れや痛みなどの身体状態に気づきにくく、また、自分の感情を認識し言葉にすることが難しいので、ヘルプを出しにくいことがあります。そして、身体感覚や感情機能の働きにくさによってうまく処理されなかったストレスは、身体の不調として現れ、心身症へと発展しやすくなります。個人差はありますが、筆者はこの傾向が強く、身体疾患を繰り返して増悪してしまいました。



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 発達障害の二次障害として、上記のもの以外には、抑うつや不安障害などの精神疾患があります。


 本人の感情・体調面共に気付きにくいところがあるため、不調をうったえることが難しく、周りが気づいた頃にはストレス性の疾患を発症しているということなのですね。

 「みんな」に合わせるよりも、自分の特性に合わせた生活スタイルを作って、少しでも心身が健康でいられるよう環境に整えていくことが大事なんだなと思います。


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